滋賀県・湖南省友好提携40周年記念式典 滋賀県知事三日月大造挨拶

日 時:令和5年11月10日(金)

                                         16:30~17:45

                                 場 所:びわ湖大津プリンスホテル

                             コンベンションホール淡海2階

 滋賀県・湖南省友好提携40周年記念式典の開催にあたり、主催者を代表し、一言ご挨拶を申し上げます。

()(けい)(えい) 湖南省委員会常務委員をはじめ、代表団の皆様、ならびに湖南省の老朋友(ラオポンヨウ)の皆様、ようこそ滋賀県へお越しになりました。滋賀県民を代表し、心から歓迎申し上げます。

また、薛剣総領事、姫野大使をはじめ、県内外からご参集いただきました各界を代表するご来賓の皆様、県民の皆様、誠にありがとうございます。平素より本県の国際交流の推進に格別のご理解、ご協力を賜り、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。

両県省の友好交流に携わる関係者が一堂に会し、友好提携40周年を記念し、お祝いできることを大変うれしく思います。

ご承知のとおり、滋賀県と湖南省は、琵琶湖と洞庭湖という、それぞれの国を代表する湖をご縁として、1983年3月に友好協定を締結しました。以来、環境、経済、教育、文化、スポーツなど、多くの分野で幅広く交流を深め、友情を育んできました。

コロナ禍のさなか、両県省は共に手を取り合ってウイルスと戦い、温かい心のこもった支援物資を相互に届け合ったことは、まだ皆さんの記憶も新しいことでしょう。この時、お互いを思う気持ち、友情の強さを改めて確認することができました。

○ そして本年、両県省の友好提携は40周年を迎えました。この40年間、両県省の交流は絶えることなく、常に双方で力を合わせて共通の課題解決に取り組み、数えきれないほどの友好の物語を紡いできました。今日(こんにち)の友好関係は多くの先人の方々のご尽力があったからこそであり、そのご努力に心から感謝を申し上げます。

かの孔子は「四十にして惑わず。」と教えます。私たちの友好交流は不惑を迎え、今までの交流の積み重ねを基礎に、さらに強い友情を築き、共に発展していく段階に入ったといえましょう。

先ほど、呉桂英 常務委員からの表敬をお受けした際にも申したことですが、これまで培ってきた両県省の交流の歴史をベースに、新たな時代を切り開くため、「健康長寿」、「持続発展」そして「恒久平和」をテーマとする「新たな交流の10年」を両県省で作っていきたいと考えています。

「健康長寿」と「持続発展」については、高齢化や気候変動という地球規模の大きな課題を前に、滋賀県と湖南省が力を合わせて、世界に対し、「このようにやれば乗り越えられる」という知恵を発信したいと考えています。もう既に、健康長寿をテーマとする観光ツアーの造成や介護人材プロジェクトなど、取組みを始めたこともあります。

「恒久平和」については、取組みの第一歩として、この夏湖南省を訪問した際に、湖南省人民政府のご尽力によって平和祈念行事を開催することができました。私は、滋賀県民を代表して、先の大戦において湖南省で(たお)れた全ての人々の命の前に花を手向け、「哀悼の誠」を捧げました。

このような取組みは、今までやりたくてもできなかったことです。滋賀県と湖南省との関係だからこそできたことなのです。他府県の地方間交流でも聞かないような取り組みを実現できたことを大変誇らしく思います。再来年には戦後80年を迎えます。多くの県民とともに海を渡り、湖南省の皆様とともに、慰霊と恒久平和を祈りたいと考えています。

平和であり続けるために重要なのは、若い世代による交流を通じた相互理解だと思います。これまでから、私も参加した「滋賀青年の翼事業」や、湖南省からの200名を超える若者を県内企業等で受け入れた「湖南省()(にち)技術研修員事業」というものがありました。これらの事業でお互いのことを知った若者は、今や両県省の社会経済を支える中心的な人材として活躍しておられます。

去る8月の訪中団には県内の高校生と大学生計22名が参加し、現地の学生と書道やディスカッションを通じた次世代交流を行いました。今回湖南省からの訪問団にはその時交流した大学生10名が参加し、後ほど県内の大学生とともに成果発表をしてくれるとのことで、大変楽しみにしています。

お集まりの皆様、今後、両県省の青少年同士が共通体験を積むことのできる交流の機会を積極的に創出することによって、交流の輪を次世代に引き継いでいくとともに、将来両県省の相互発展と恒久平和に貢献できるような人材を育てていこうではありませんか。

皆様方のお力添えのほど、お願い申し上げます。

 国と国の関係は時に荒波が立つこともありますが、そのような時だからこそ、人と人が直接顔を合わせ、心と心を通い合わせる地方間交流、草の根交流は重要と考えます。この交流の糸を紡ぎ、太く長く発展させていくことによって、日中友好のみならず、世界の平和と繁栄にも寄与するものと信じています。本日の記念行事が未来に向けた新たな一歩となることを期待しています。

結びに、呉桂英 常務委員をはじめ、湖南省の皆様、ご来場の皆様のご健康とご多幸、ならびに滋賀県と湖南省の友好関係の更なる発展を祈念して、私の挨拶といたします。